昼休み。私は今、恋について菜々に熱く語られている。

「恋っていうのはね、するんじゃなくて落ちるものなんだよ!私で言うと、陸のことが好きになって、陸も私のこと好きでいてくれて、お互いにこの人だ!って言う時があったの。2人とも好き好き同士でそれがずっと続いてる感じなの。分かる?」

うん。と言いたいところだけど、分かんないなー。菜々には申し訳ないけど、さっぱり分からない。

「分かるような、分からないような……。」

私は菜々に怒られないように、そーっとそーっと答える。

「美咲には今まで、この人カッコイイなとか、この人の彼女になれたらなっていう気持ちなかったの?」

カッコイイか……

「大会で、速いタイム出した人とか、走り方が綺麗な人見るとカッコイイなって思ったりするよ?」

「ちーがーう!そういうのは憧れっていうの!私が言うカッコイイは、顔とかスタイルとか性格のこと!」

顔?スタイル?性格?うーん。顔とかスタイルは分かる気もするけど、性格はどういうこと?

「もー!なんでそんな意味わかんないみたいな顔するの!?」

「だってホントに分かんないんだもん…。ねぇ、菜々?性格のかっこいいって何?」