うぅ、葉音だけなら文句言えるけど、
文芸部の子には可哀想だから言えない......。

「まぁ、とーにーかーくっ。」

葉音が私と奏の肩をポンと叩いた。

「決まっちゃったものはしょうがないん
だからさ。二人ともちゃんとセリフ覚えて、
最高のロミジュリにしてよね☆
ほら、お互いにあいさつしてっ。」

.........。

私は奏と向かい合い、その
綺麗な瞳をじぃっと見つめる。

「奏、その。よろしくね?」

「あぁ。よろしくな、結乃。」

さらりと返してくる奏。

この先が、不安になってきた......。