呆然と立ち尽くす結乃。
隣で結乃をかばう奏。

そして、少し離れたところ
から事件を見届けて満足そうに笑う凜。

凜は、赤坂 結乃という
同級生のことが大嫌いだった。

自分の意見すらまともに
言えないような子なのに
何故だか、神影君とすごく
仲が良かったから。

神影君は、凜の初恋だった、
凜はそう言っていたらしい。
凜にないものを持っている
結乃が憎くて憎くて。

心の中で暴れまわる野蛮な
怪獣を押さえることは到底
無理に思えたし、あえてこの
気持ちを止めようとか、仕舞い
込んでおこうとは思わなかった。

昨日、家で考えた言葉を結乃の
机にネームペンで書く。

『バカ』
『クズ』
『口無しの癖に』

書きながら1人で悦に浸る。