見上げる空は、ただ蒼く

奏。なんでそんなに私に
優しくしてくれるの?
私なんかに優しくしても
なにも良いことはないのに。

さっきは紗綾さんのことを
奏のお母さんと言ったけれど、
奏にとっても紗綾さんは
義理の母親という立ち位置だ。

奏の実のお母さんは7年前に
がんで亡くなっていて、
お父さんが再婚した相手が
紗綾さんだったらしい。

「奏は、なんでそんなに
優しくしてくれるの......。」

呟くと、きっぱりとした
返事が返ってきた。

「そんなの、俺にとって
結乃が大切な存在だからに
決まってるだろ。」

照れ隠しみたいに下手な
咳払いをする奏を見て思わず
笑ってしまう。

「ふふっ。」

「笑うなよー。」

2人で顔を見合せて笑う。