視界が、開けた。

光の眩しさにそっと瞼を
持ち上げると、白に統一された
そこは病室だった。

私、死んだのかな...?

手元にあったナースコール、
自分の生死が分からず
混乱しつつそれを押してみると

数分も経たないうちに看護師さんが
病室にぱたぱたと駆け込んできた。

「神影さん、目が覚めたんですね!
今、医師を呼んでくるので
少しの間そこで待っていてください。」

私は頷き窓の外を見た。

僅かに開かれた窓の隙間から
爽やかな風が流れ込んできて、
私の頬をくすぐる。

しばらくすると医師が来て
記憶の欠落がないかいくつかの
質問をされたあと検査をして、

腕など数ヶ所の骨折があるが
昏睡状態の間にほとんど治っていて
自宅療養が可能だと言われた。

「電車に轢かれたのにここまで
傷の回復が早いのは珍しいよ。」

と医師に言われたほど
私の怪我は軽いものだったらしい。

ただし数日間ずっと
眠り続けていたけれど。