奏が凜の言葉を引き継ぐ。

そっか。
そうだったんだ。

凜は結乃を傷つけていたわけじゃない。

むしろ必死で守ってたんだ。

「凜は結乃のこと、憎くないの?」

私がそっと尋ねると、
彼女は首を傾げて薄く笑った。

「私たちが幼稚園生のとき、結乃が
交通事故で私のことを忘れたときは
結乃のこと、嫌いになろうとしたけど
結局はなりきれなかったんだ。

璃依のことは本当に申し訳ないし、
別に結乃のことは嫌いじゃない。
むしろ仲良くしたいって思ってる。」

これが、凜の本音。
前から、不思議に思ってた。

私と凜と奏と結乃は中1と中2も
同じクラスだったけど、凜が結乃を
いじめているところなんて今まで
見たことがなかったから。

なんで急にそうなったのか
私もかなり混乱はしていたけど。

でもそれは、学校に来ていたのが
凜じゃなくて璃依だったからなんだ。