見上げる空は、ただ蒼く

気付かなかった。

凜とは長い付き合いなのに。

小学校の頃からずっと
一緒に学校生活を送ってるのに。

双子の弟と見分けられなかった。

「私は小学校の頃も自分の名前で
学校に行きたがらない璃依と
入れ替わってるときがあった。

璃依は私として学校で過ごすのが
好きみたいだったし、親は
そういうのを気にしなかったから
私たちはときどき入れ替わって
学校に来てたんだ。

今も昔も、私たちが入れ替わってる
ことに気付くのは奏だけだよ。

そして、今年と学園祭の少し前から
私と璃依は入れ替わってた。

私は演劇なんてやりたくなかったし
璃依が学校に行きたいって言ったから
私たちは入れ替わって璃依が
私の名前でしばらく学校に来てた。」