「そうだね、結乃は優しいから...。
優しくするのに傷つきやすくて
それを必死で隠してた。アイツは
誰よりもいいやつなんだ。だから
俺は結乃のことが......」

"好きだったんだ "

彼の口がそう動いたのを見たとき、
目の前に人影が現れた。

「言われた通りに来たけど。」

「.........凜。」

私はベンチに座ったままの奏を
ちらりと見てから凜の前に立った。

奏はきっと怖いんだ。

結乃の自殺未遂の真実を知って、
自分を止められなくなるのが。

「真実を、聞かせてよ。」

震える声を押さえながら
凜を睨み付ければ、彼女はどこか
怯えたような表情をしていた。

彼女が、口を開く。






その口から......








真実が、語られるんだ。