奏と公園まで行って、
それからベンチで凜を待った。

「俺は...許せないよ。
結乃は俺の大切な家族なんだ。
結乃を傷付けた奴を許すなんて
どうしても出来ない......。」

隣に座っている奏が拳を
震わせながら小さな声で呟いた。

誰よりもまっすぐに、
結乃だけを想っている奏。

誰よりも素直に、
奏だけを信用してる結乃。

2人の関係を傍でずっと
見守ってきたのは私なんだ。

「許せなくて、いいんじゃない?」

私がそういうと、奏は
驚いたようにこちらを見た。
その目は隈が出来ていて
少しだけ赤く腫れている。

結乃のことを想って
夜中に泣いてたんだろうな。

「結乃を1番傍で大切にしてきたのは
奏なんだから。結乃を傷付けた相手を
許せないと思うのは当たり前。

まぁ、きっと結乃は優しいからそんな
相手でも許しちゃうんだろうけどね。」