葉音から急に連絡がきた。

「ラジオの色は何色?」

そう聞かれて混乱する。
なんでそんなこと聞くの?

私、奏に言ったじゃない。

『犯人は私なんだ』って。

もしかして疑ってるのかな。

ラジオ、ラジオ......。
色なんて知る訳ないじゃない。

だってラジオを盗ったのは、
私じゃないんだから。

でも、それを言うわけにはいかない。

『銀でしょ。』

ラジオって普通は銀のはず。
大丈夫、たぶん合ってる。

自分に言い聞かせたそのとき、
少し意地悪な葉音の声が聞こえた。

『残念。あのラジオは茶色だよ。』

私は床に、崩れ落ちた。