「ふふ、自信あるみたいね。私も
かなり良い情報取れたよ。そっちから
教えてもらってもいい?」

「あぁ、あの日は俺の家族は全員家に
居なかったにも関わらず、工事を
しているかのような騒音が朝から夕方
まで続いていたそうだ。

それと、この近所であの日の前後に
俺でも結乃でもない双葉学園の女子が
目撃されてて、そいつは俺たちの
家のことを聞き回ってたそうだ。」

双葉学園の女子学生。
うちの学園は女子の方が人数が多い。
それだけじゃいくらなんでも
調査対象の範囲が広くなりすぎる。

俺が口を閉じると今度は葉音が
聞き込みの成果を報告した。

「私もだいたい同じような内容だった。
その、目撃された双葉学園の女子に
ついては補足があるかな。その女の子の
髪は明るく染めた茶髪で、カバンには
ピンクのクマのキーホルダーが
ついてたっていう証言を聞いたけど。」

明るい茶髪に、クマのキーホルダー?
それって......。

「「凜。」」

2人の声が重なる。
その2つの条件が重なるやつは
今のところ凜しか思い当たらない。

「ということは、犯人は複数かもな。」