「...はは......あははっ。」

あのとき、お母さんは突然
笑いだしたんだっけ。
そして、私の方をまっすぐに
見つめて言い放ったんだ。

「ふざけんな。出来損ない娘が
なに調子のってんだよ黙れ。」

違う。
違う違う違うっ。
こんな酔っぱらいは...。

「貴女は......貴女みたいな人は
私のお母さんじゃないっ!」

叫ぶと同時に、涙が零れた。
お母さんがまた手をあげる。
勢いよく振りかぶった手は
しっかりと私の右目を捉えた。

キィーン。

目がジンジンする。
視界が、半分閉ざされた。
私は涙でぼやけた視界の奥に
狂気に満ちた顔でこちらに
迫ってくるお母さんを見た。

「やめて。嫌嫌嫌ぁぁぁあっ!」

あの日からお母さんは私に対して
暴力をふるうようになった。
いわゆる虐待ってやつだ。