それから二人でもそもそと朝飯を
食べながら今日の調査について
作戦を立てた。

まず、俺と結乃が住む家の近隣住民に
金森さんが出掛けていた日に何か
変わったことがなかったかを尋ねる。

次に、凜以外で結乃に何らかの
恨みを持っていたやつがいないか、
昔のクラスメートや今の同級生に
片っ端からアタックをかける。

「今日、本当はいつも通りに学校
ある日なんだけどさ、たまには
サボっちゃってもいいよね。」

葉音がどこから取り出したのか
ボイスチェンジャーを使って学校に
電話をかけ、葉音が体調不良で
休むことになったと伝えていた。

俺はもともとフランスに行くために
長期欠席要請を出していたから
都合よく休めることになり、俺たちは
調査に出発した。

葉音の家の近くからバスに乗って
30分くらい経ったところで降りて
俺は辺りを見回す。

どの家から行くべきか。
迷っていると葉音が隣でため息をつく。

「迷う必要なくない?私はこの家から
始めるから奏はあそこの家やって。
んじゃ、健闘を祈る。」

それだけ言うと葉音はスタスタと
歩いていって迷いなくインターホンを
押し、出てきた人と話し始めた。

さすが、葉音。