゛えぇ、いいわ。じゃあ私は
女の子を貰うわね...ふふ。゛

゛じゃあ私はこの男の子を。゛

゛ザザーッザザーッブツッ゛

場面が切り替わった。
私は膝から崩れ落ちる。

゛なんでそんなことしたんだよっ!゛

奏......?

゛意味わかんねぇよ!結乃と俺が
入れ替わりの子どもなんて......そんなの
信じれるわけねぇだろ?!
なんで結乃を虐待すんだよ......っ。゛

もう、やめて。
聞きたくないよ、こんなの。

「結乃、耳を塞いで!誰か先生を
呼んでくるから。そこで待ってて!」

葉音が身を翻して走っていく。
その間もラジオからは音声が流れ続けた。

゛この子は結乃っていう
名前をつけたんですよ。゛

゛この子は、奏よ。゛

満足そうな2人の女性の笑い声。
訳が分からないのに涙が出てきた。

奏は、知ってたんだ。
私と奏が入れ替りの子どもだってこと。

『男の子なんかいらないのよ。』

お母さんのたった1言だけの我が儘で、
私と存在ごと交換されたこと。

全部ぜんぶ、知ってたんだ。

なんで教えてくれなかったの?
意味、分かんない。
ちゃんと説明してよ......!

私はラジオを両手で抱え込んで
屋上から中に入って葉音に
見つからないようそのまま走り出した。