薬品のツンとした匂いで目が覚めた。
淡いクリーム色の天井に、静かに流れる
オルゴールのジブリメドレー。
ここは、うちの学校の保健室だ。
「.........なんで。」
私はなんで保健室にいるんだろう。
学校に来たことまでは覚えているけれど
その後の記憶が何故かまるごとすっぽりと
抜け落ちてしまっている。
ちょっと固くて寝心地の悪いベッドから
半身を起こして周りを見る。
ベッドを囲うようにひかれたカーテンの
隙間から、保健室の岸谷先生がパソコンに
向き合っているのが見えた。
「せん...せい......。」
カーテンを開けて声をかけると、先生は
ハッとしてこちらを見る。
「赤坂さん。やっと目が覚めたのね。
始業式で倒れて目を覚まさないもんだから
すごく心配しちゃったわ。」
そう言って先生はふふ、と笑った。
妖艶な雰囲気をまとうその笑い方と、
抜群の容姿から男子にはファンが多い
なんて聞いたこともある。
「はい、熱はかって。」
岸谷先生が軽く放り投げた体温計を
キャッチして私は苦笑いした。
「保健室にある備品は
絶対に投げたらダメですよね?」
尋ねると、先生はちょろっと舌を出して
ウインクしたままピース。
「バレなきゃ犯罪じゃないのさ!」
高々と宣伝されても困る。
第一、教師が生徒の前でこんなことを
言ってるって自体が先生はともかく
学校側からするとかなりの
大きな問題だろうとは思っているけれど。
淡いクリーム色の天井に、静かに流れる
オルゴールのジブリメドレー。
ここは、うちの学校の保健室だ。
「.........なんで。」
私はなんで保健室にいるんだろう。
学校に来たことまでは覚えているけれど
その後の記憶が何故かまるごとすっぽりと
抜け落ちてしまっている。
ちょっと固くて寝心地の悪いベッドから
半身を起こして周りを見る。
ベッドを囲うようにひかれたカーテンの
隙間から、保健室の岸谷先生がパソコンに
向き合っているのが見えた。
「せん...せい......。」
カーテンを開けて声をかけると、先生は
ハッとしてこちらを見る。
「赤坂さん。やっと目が覚めたのね。
始業式で倒れて目を覚まさないもんだから
すごく心配しちゃったわ。」
そう言って先生はふふ、と笑った。
妖艶な雰囲気をまとうその笑い方と、
抜群の容姿から男子にはファンが多い
なんて聞いたこともある。
「はい、熱はかって。」
岸谷先生が軽く放り投げた体温計を
キャッチして私は苦笑いした。
「保健室にある備品は
絶対に投げたらダメですよね?」
尋ねると、先生はちょろっと舌を出して
ウインクしたままピース。
「バレなきゃ犯罪じゃないのさ!」
高々と宣伝されても困る。
第一、教師が生徒の前でこんなことを
言ってるって自体が先生はともかく
学校側からするとかなりの
大きな問題だろうとは思っているけれど。



