──風香が行きそうな場所。 俺は走りながら思い当たる場所へ向かう。 何となくだけど分かる気がするんだ、風香がいそうな場所が。 泣きたい時とか、嫌なことがあった時はいつも行っていた場所がある。 多分そこは、兄貴でも知らない俺と風香の秘密の場所。 もしその場所にいてくれるんなら、俺はもう迷わず風香に想いを伝える。 もう賭けだな。 振られてもいい。ただもう自分の気持ちを隠したくないから……。