俺、三浦光[ﾐｳﾗﾋｶﾘ]の好きな人である里内風香[ｻﾄｳﾁﾌｳｶ]は、俺の兄の彼女だ。
風香は家が隣同士で親も仲が良く、今までずっと一緒に過ごしてきた幼馴染み。
もちろん、兄貴も風香にとっては幼馴染み扱いになるんだけど、同い年である俺の方がよく遊んでいた。
でも、ある時から少しだけ俺達の関係が変わった。
中学に入ってから、俺達の仲の良さを勘違いして周りが騒ぐようになった。
「好きなのか？」と言われれば「違う」と答えるけど、周りのやつらはそんなことじゃ納得はしなかった。
付き合ってるわけでもないのに一緒にいるのが可笑しかったのか。それとも、可愛くて人気のある風香といた俺を羨ましがったやつらがからかったのか。
どんな理由からか分からないけど、とりあえず思春期の男女特有の感情が渦巻き、俺達は学校では距離を取るようになった。
