「三浦くん、お疲れ様。はい、タオル」
練習が終わり、各自ストレッチに移った時、マネージャーの黛[マユズミ]がタオルを持ってきてくれた。
同い年でバスケの知識はけっこうあるし、気さくで話しやすい黛。部活ではかなりお世話になっている。
「サンキュ」
軽く礼を言うと笑みを浮かべて次の人にタオルを渡しに行った。
「本当、光って罪なやつだよねー」
貰ったタオルで汗を吹こうとしたらそう言いながら隣に誰かが座った。
「変な期待させるのってダメだと思うけど?」
見なくても分かる。こんな風にバカにしたように笑うこいつは……。