花晴る降る日

「別にいいけどさ、少しは配慮しろっての」と愚痴をこぼしながら黒で埋め尽くされていくノートを、ただ黙って見ている

「おい、園部。そこ俺の席なんだけど」

美香子の問題集を私の机にドサッと置き、美香子にあっちいけしっしと手で払う

隣の席の安村康樹は、特別目立つわけではないけど友達は多く、そこそこ頭のいい平凡な男子、という印象がある

今年に入るまで同じクラスになったことがなく、隣の席になったのは今学期が初めてだからお互いのことはよく知らない

「なによ、いいじゃん」

むっと安村の方を見て、でも素直に席を立った