洗濯をまわして廊下をモップかけていると椅子の音がした

キッチンを覗くとご飯のおかわりをしていた

食べてくれてるよかった(笑)


キッチンに戻る

「味のほうどうですか?濃いとか薄いとかお好みにしますけど」

「大丈夫、うまい」

「よかったです」

「ごちそうさま」

椅子から立ち上がる響也
ふと、買い物の袋に目がいく
「これ、何?」

「あっ、えーと髪を染めるものです」

日用品をまだ買い物袋に入れたままにしていた

「こんなので染めるの?美容室じゃなくて?」

「えっ」

しまったお金もってる人は美容室いくんだ
あたしの生活水準がもろバレした

「これはほっといていいです、美容室に行ってください」

私は洗濯に逃げた
洗濯機は止まっていたが籠がない

「あのー、洗濯干したいんですけど籠ってないですか?」

リビングにいる響也に声かける

「どこだっけ」

「最後に使ったのはいつですか?」

「忘れた」

朝香は二階のベランダに上がってみる

「あった」

この洗濯物はいつから干してあるんだろう
干してあった洗濯物を籠に入れて下に降りる

「ありましたー」

「はーい」

洗濯物を干しに二階に上がる
階段が膝にはけっこうくるんだよね
ゆっくりゆっくり手すりを持ってあがっていく

降りるときもゆっくり
はぁ、自分のペースでいいって言ってたから洗濯は少しずつにしよう

「あの、時間なんですけど」

「あー、もう8時?うんお疲れ様」

「お疲れ様でした」

キッチンに行って食器を洗ってから自転車で帰った



「ただいまー」

「おかえり、お母さんのほうが早くなりそうね」

「うん、すごい豪邸だった、それが同級生の家だったの」

「そう、宇佐美さんはよく利用してくれてるみたいよ、私は時間が遅くなるから入ったことないけど」

「夕食も一人分だしね、入学式に金髪で来て、今ね、停学中なの」

「そう、親御さんは海外にいるらしいわよ、子供一人じゃね、誰かつけないと」

あの広い家に一人で住んでるのかー
洗濯物もたまってたし、洗濯もするの嫌で下着とか買うんだろうな

何だか同級生の下着洗って干したんだよね
今になって恥ずかしくなってきた、それに唇触られちゃったし、つまみ食いするんじゃなかった

朝香は今になって思い出す

「まあ初日だから疲れたでしょ、早く食べてお風呂にゆっくり入りなさい」

「うん、疲れたー」