「おにぃちゃん!はやくしてよ~!」
「急ぐ事ないだろ、別に」
「陽嘉ははやくストレス発散したいんだって~!」
「わかったよー。」
ごく普通の兄弟だ。
昨日、給料日だった兄智也(トモヤ)と、妹の私陽嘉(ヒヨ)は久しぶりにカラオケに来ている。
普段は、マンションなので大声で歌えない分ストレスが溜まっている私は、
走って近所のカラオケ店に向かっているところだ。
徒歩5分程度の所にあるカラオケ店は、最近出来たばっかで結構きれいだ。
しかも、安い。
兄は、バイトでためたお金を持って私におごってくれると言っている。
私は、高校三年生で兄は、4歳上の22歳だ。
受験のストレスは、高校受験の時もだったが半端じゃない。
兄も兄なりに気を遣ってくれているのだろう。
兄、いやおにぃちゃん、ありがとう。笑笑
そうこう思ううちにカラオケ店に着いた。
「あれっ?智也じゃん!」
4人くらいのおにいちゃんくらいの年の人がいた。
「え~!なんでみんないるんだよ~!まじでぇ?テンション上がってきた!」
兄と、その人たちは騒いでいる。
私は、兄の友達なのだと知りその人たちに挨拶をした。
はじめ、みんなは私の事を兄の彼女だと思ったらしく
「智也またおんなかよぉ!」
とか、いじられていた。
私は初めてそういう風に間違われて、恥ずかしがっていた。
兄とみんなはその後もカウンターの方で盛り上がっちゃって、
私は、一人で気まずかったので
トイレに行った。