葵side


「おはよ〜。」



私が教室に入ると、周りにいた子達がヒソヒソと話し始めた。



みんな、私と目を合わせないようにしていた。



「え・・・・・・。」



机を見ると、たくさんの誹謗中傷の言葉と汚いゴミが散乱していた。



すると、不良グループの矢島さん達がクスクスと笑っていた。



「・・・・・・・・・!!」



「みんな〜。おはよ〜!」



「おはよ〜。」



蘭が入ってくる。



でも、みんなはいつも通りに挨拶をしていた。



「ちょっと!何コレ!?」



私の机を見た蘭が駆け寄ってきた。



「葵、大丈夫?」



「う、うん。」



「誰よ!こんな卑怯なことするの!!」




「ら、蘭。大丈夫。大丈夫だから。」



「葵・・・・・・。」



蘭が心配してくれるのは嬉しい。




でも、蘭に迷惑かけたくない。




私は、黙って机の落書きを消した。