蘭side


「蘭〜。おはよ〜!」



私が机の中に教科書を入れていると、葵が挨拶してきた。



(チッ。面倒くさ。)



「葵。おはよ!」



私は、その感情を押し込めいつも通りに笑顔で交わす。




あー。だる。




正直ウザイし、好きなものだって合わせてやってるだけだし。




すると、葵は昨日やっていたドラマのことを話し始めた。



甘々の安っぽい恋愛ドラマ。



高校生の男女2人が様々な困難を乗り越え、最後には付き合うというどこにでもある学園もの。



てか、コイツすぐ調子に乗るし、イライラする。




(立場弁えろよ。ブスが。)




これだからやなんだよね。地味子は。



「お!相沢はよ。」



「はよ。」



爽やかな声がする方を向くと、そこには相沢君がいた。



葵の好きな人。



葵も当然、そちらを向いて嬉しそうにしている。



(キモ・・・・・・。)



「ねぇ、もしかして葵って相沢くんのこと好きなの?」



「え!?い、いや・・・・・そういうわけじゃないけど。」



「いーじゃん!教えてよ〜。ウチら友達じゃーん。絶対、秘密にするから!」



「う、うん・・・・・・。」



(バーカ。秘密になんかしないっつーの。)