私の頭の中にうるさい音が鳴り響く。
時間を確認し安堵の表情を浮かべ布団にまた潜ろうとすると電話がかかってきた。

「もしもし...」

あくびをしながら返事をすると鼓膜が破れるかと思った思うぐらいの返事が返ってきた。

「何がもしもしだよ!今何時だと思ってるんだ。早く出てこい。」

彼の言っている意味が理解できないまま時間を再度確認する。

「まだ6時半だよ。何そんなに急いでるの?今日なんか大事な用あったっけ...?」

私がとぼけて返事をすると分かりやすいため息が聞こえてきた。

「お前何言ってるんだよ。スマホ見てみろ。」

不思議に思いながらも仕方なくスマホの電源を入れる。
その時私の脳は一瞬にして覚めた。

「え!?なんで!?なんで今8時半って表示されてるの?」

私がとても驚いた様子を見せたので彼は怒りを通り越して呆れを感じさせていた。

「あー。もういいから早く支度しろ。今日は俺が自転車に乗せてってやる。」

「え!?本当?ありがとう!」

「お礼なんか言ってないで早くしろ!じゃないと乗せてってやんねーぞ。」

「え!それはまずい」

私は急いで制服に着替えバレないようにネックレスを隠し付け、朝食を食べずに家を出た。

「ごめん!お待たせ」

そう言うと彼は無言で彼はサドルの後ろを叩き乗るようにと手招きした。
私がしっかりと乗ったことを確認すると自転車は全速力で道を駆け抜けた。
1つ気になってた質問をする。

「そういえばなんで時計遅れてたのかな?」

私が言うとこちらを向いていなくても分かる呆れオーラが出た。

「お前知らないのか?昨日の夜2時間ぐらい停電してたんだぞ?」

全く気づいてなかったと言わんばかりに私は口を開けていた。
そしたら今度は政輝がぽつりと呟く。

「でもなんで俺の目覚まし時計は止まってなかったんだろう...」

ああ、きっと。私はなるほどと思い正輝に言った。

「多分それは私の目覚まし時計はコンセントに差すタイプのやつだからだよ。」

納得したように彼は頷く。

そんな会話をしていたらあっという間に学校に着いた。