一方言われた私は「うん」とか「そうかな?」なんて阿呆丸出しの単語しか出てこなかったのだが。


ひとしきり感想を言いながら食べ切った彼は、「ふぅ」と息を吐いた。


ユ「……意識してるの、俺だけかと思った」

「それ……!私のセリフだよ。今日何日とか、日付にもなんの反応もしないし」

ユ「……それは!そっちが平然と14日って言うから……!男の俺だけ意識してるとか恥ずかしいじゃん!……でも、」



彼は、愛おしそうに、もうひとつの箱を撫でる。


ユ「2つもくれるとは、思わなかったなぁ。やっと、本命チョコを貰えた」


「私も、逆にプレゼント貰えるなんて、思わなかった。しかもめっちゃ凝ってる」


ユ「待ってるだけの男なんて、格好悪いかなって。貰える確証もないのに待ってるのもつまらないし」


「どこでそんなイケメン技術を……」


私はもう一度、先程貰ったものを手に取り、そのまま3人がけのソファーに座った。


すると、彼もおもむろに立ち上がり私の横に座る。