倉庫につけば、既に集まっていた下っ端連中の視線は連と泉に釘付けだった。
ヒソヒソと囁き合う奴もいれば、2人を見て何故かにやけている奴もいる。まぁパッと見なら2人はただの美男美女カップルに見えるだろうから、その反応にも納得がいく。
モデルが出来るレベルで顔が良い連はともかくとして、泉は普通に可愛いの部類に入った。黙っている時でも口元は微笑を浮かべていて、いつても明るい雰囲気を纏っている。物怖じしないし話していて面白い、とは思う。認めるのは少し癪だが。
「……ここが俺らの部屋だ」
連がそう言って開いた黒塗りの扉は、鬼羅の幹部以上だけが入れるいわゆる幹部室だった。ソファの他に雑誌や冷蔵庫、はてにはキッチンまで設置してある。まぁ、あんまり使った事はないけども。
「うわぁ…すっごいね!」
中に足を踏み入れると、泉はキラキラとその瞳を大きく開いて輝かせた。興奮気味に部屋の中を歩き回って、黒い革のソファにかけてあった特攻服を手に取っ、
ちょっと待てそれ。
「凄い!本物の特攻服じゃん!」
「それは孟のだ」
鬼羅の文字を刺繍したシンプルな黒い特攻服。連の言う通り、それは俺の特攻服だ。
「人の勝手に見てんじゃねぇよ。返せ」
「えーいいじゃん。ね、着させてよ」
「無理」
即答で拒否したのだが、泉はそれを聞く事なく、俺の特攻服を羽織った。着るなら聞くなよ。
「わ、でかい」
「当たり前だ」
泉が着た俺の特攻服はぶかぶかで、袖は余っている背広の部分も地面についてしまっている。
当然といえば当然だろう。見た所泉は160センチ代なんだろうが、俺は188センチ。小柄なこいつとは違いがありすぎる。
「凄いね古賀君。でっかい」
「だから、当たり前だっつってんだろ」
ため息混じりにそう言うと、へへへ、と余った袖を垂らしながら泉はどこか嬉しそうに笑った。
ヒソヒソと囁き合う奴もいれば、2人を見て何故かにやけている奴もいる。まぁパッと見なら2人はただの美男美女カップルに見えるだろうから、その反応にも納得がいく。
モデルが出来るレベルで顔が良い連はともかくとして、泉は普通に可愛いの部類に入った。黙っている時でも口元は微笑を浮かべていて、いつても明るい雰囲気を纏っている。物怖じしないし話していて面白い、とは思う。認めるのは少し癪だが。
「……ここが俺らの部屋だ」
連がそう言って開いた黒塗りの扉は、鬼羅の幹部以上だけが入れるいわゆる幹部室だった。ソファの他に雑誌や冷蔵庫、はてにはキッチンまで設置してある。まぁ、あんまり使った事はないけども。
「うわぁ…すっごいね!」
中に足を踏み入れると、泉はキラキラとその瞳を大きく開いて輝かせた。興奮気味に部屋の中を歩き回って、黒い革のソファにかけてあった特攻服を手に取っ、
ちょっと待てそれ。
「凄い!本物の特攻服じゃん!」
「それは孟のだ」
鬼羅の文字を刺繍したシンプルな黒い特攻服。連の言う通り、それは俺の特攻服だ。
「人の勝手に見てんじゃねぇよ。返せ」
「えーいいじゃん。ね、着させてよ」
「無理」
即答で拒否したのだが、泉はそれを聞く事なく、俺の特攻服を羽織った。着るなら聞くなよ。
「わ、でかい」
「当たり前だ」
泉が着た俺の特攻服はぶかぶかで、袖は余っている背広の部分も地面についてしまっている。
当然といえば当然だろう。見た所泉は160センチ代なんだろうが、俺は188センチ。小柄なこいつとは違いがありすぎる。
「凄いね古賀君。でっかい」
「だから、当たり前だっつってんだろ」
ため息混じりにそう言うと、へへへ、と余った袖を垂らしながら泉はどこか嬉しそうに笑った。
