放課後は、何故か連が泉を連れていた。
目を丸くする俺と舜達を放って、連は泉にヘルメットを手渡していた。
「いや、連、何してんの?」
「連れてく」
「どこにだよ」
「倉庫」
その答えに、尋ねた本人である舜の目付きが変わった。バイクに体を傾けながら、一誠も大きく目を見開いている。
倉庫とは、俺達鬼羅の溜まり場の事だ。元は最初の総長の親が経営していた大きな倉庫らしいが、今では鬼羅に代々貸してもらっているんだとか。
「連。お前マジで言ってんのか」
「あぁ」
「あんなとこに女連れてく事がどういう事か、わかんねぇ訳じゃねぇよな」
あぁ、と連がもう一度呟いた。流石に俺も眉を顰める。
連は暴走族の、俺らの頭だ。サツは勿論、他の族にだって狙われる。そいつが本命じゃないならまだしも、女を倉庫に連れてくるなんざ、普通ならありえない。特に連は女を相手にする事が滅多にない。
それはつまり、そいつの、俺達の弱点にも繋がるからだ。
「本気か」
「何回も言わせんな」
「つっても、お前、」
その時、ぐいっと服の袖を引っ張られた。頭を下げれば、泉がヘルメット片手に俺を見上げている。
「何だよ、今お前のはな、」
「これどうやって被るの?」
「………」
連がまた笑った。俺はこいつを殴った。
目を丸くする俺と舜達を放って、連は泉にヘルメットを手渡していた。
「いや、連、何してんの?」
「連れてく」
「どこにだよ」
「倉庫」
その答えに、尋ねた本人である舜の目付きが変わった。バイクに体を傾けながら、一誠も大きく目を見開いている。
倉庫とは、俺達鬼羅の溜まり場の事だ。元は最初の総長の親が経営していた大きな倉庫らしいが、今では鬼羅に代々貸してもらっているんだとか。
「連。お前マジで言ってんのか」
「あぁ」
「あんなとこに女連れてく事がどういう事か、わかんねぇ訳じゃねぇよな」
あぁ、と連がもう一度呟いた。流石に俺も眉を顰める。
連は暴走族の、俺らの頭だ。サツは勿論、他の族にだって狙われる。そいつが本命じゃないならまだしも、女を倉庫に連れてくるなんざ、普通ならありえない。特に連は女を相手にする事が滅多にない。
それはつまり、そいつの、俺達の弱点にも繋がるからだ。
「本気か」
「何回も言わせんな」
「つっても、お前、」
その時、ぐいっと服の袖を引っ張られた。頭を下げれば、泉がヘルメット片手に俺を見上げている。
「何だよ、今お前のはな、」
「これどうやって被るの?」
「………」
連がまた笑った。俺はこいつを殴った。
