さらりと揺れる黒髪

耳朶を撫ぜる低音のハスキーボイス


見慣れた筈のリクルートスーツ

少し鼻先を掠める紫煙の薫り


直ぐに忘れられると思った

元の私に戻れると思った



でも、

過ぎていく毎日で

彼を思い出さない日は無くて






思い知らされる

私はきっと、

自分が思うよりもずっと


お兄さんが好きなんだって