そう言って私はまだ膨らんでもいないお腹に
優しく手をあてた。そして微笑んだ。
そんな姿を見て結奈は

「飛鷹さんには伝えるの?」

と聞いてきた。

「ううん。言わないつもり。
私の妊娠で彼のこれからの人生棒に振りたくない
仕事は辞めるつもり。5年間積み立ててきた貯金も
かなりあるし、生活はなんとかしていけそう。
部長たちには申し訳ないけどお腹が目立たない
程度まで働いて辞めさせてもらう予定。
とりあえず田舎のおばあちゃんの家に帰ろうかな
っておもってる。」

私は淡々と答えた。
まるてま私の人生の計画表のようだった。

「シングルマザーって育てていくっていうこと?
になるよね?だいじょうぶなの?できる?」

「簡単なことじゃないってもわかってる。
なにもかも全部1人でやっていけるとは思ってない
幸い、おばあちゃんもいるし
でもね、いま、この子を守れるのは私だけなの
だからね出来ることはやってあげたいの」