「もうすぐで3ヶ月に入るところなの。
悪阻もまあそこそこあるけどなんとかやってる。
相手なんだけど。同じ部署の先輩なの。」

結奈はやっぱりと言わんばかりに
納得したような顔をした。

「もしかして飛鷹さん?だよね?」

「うん。」

「付き合ってた?わけじゃなさそうね。
どうしてそうなっちゃったの?詳しく教えて」

私はあの日の夜のことを包み隠さず話した。
まだ彼にも妊娠を伝えていないことも。
これからどうしようか迷っていることも。

「それで、恵那はどうしたいの?
産みたいの?産みたくないの?」

「え?」

私はそんなこと考えなかったこともあり
そんなマヌケな声が出てしまった。

「そっか、産まないっていう選択肢もあったんだね
でも私、この子がお腹にいるってわかった時に
産むか産まないかで悩んだりしなかった。
そんなことも考えずにどうやって
この子育てようって。そればっかりだった。
私にはこの子を産まないなんで選択肢はないよ」