私はただただ頷くことしかできなかった。

「呆れるよな。勘違いしてた自分が恥ずかしくて
バカみたいだったなって思ったよ。
おれってほんとにだめだなってさ」

「そんなことないです!
たしかに幼馴染の彼女さんは別の人を好きに
なっちゃったかもしれない。
でも、飛鷹さんを好きな女性はいっぱいいます!
その人たちは飛鷹さんをだめだなんて
思ってません!自分を責めないでください!」

自分でもびっくりした。
こんなに人に意見をしたのは初めてだった。
飛鷹さんも私がこんなことを言うなんて
思ってもいなかったようで驚いている。

「ごめんなさい。わたし、感情的になりすぎて」

「いや、ありがとう。嬉しかった」

そう言ってわらいかけてくれた飛鷹さんは
一段とかっこよく見えた。

「朝雛、これから予定ある?」

「ないですけど。」

「付き合って欲しいんだ。今夜。」

わたしはコクコクと首を縦に振った。
1夜だけでもいい。飛鷹さんのチカラになれれば。