そう思った矢先、

「うっっ」

わたしは口元を手で押さえトイレへ急いだ。
ああ、やってしまった。絶対ばれた。
つわりが治まってから戻る間わたしは
そわそわが止まらなかった。

「朝雛!大丈夫か?
この間から体調良くなさそうだっだし、
今日は無理せずに帰ったほうがいいぞ。
課長には俺から行っておく。ゆっくり休め。」

「すみません。そうさせていただきます。」

申し訳ないとは思ったが今日はいつもに増して
つわりもひどい。飛鷹さんの言う通り、今日は
もう帰って休ませてもらおうと思った。

「あっ!課長には自分で言いに行きますので」

「気遣わなくていいよ。俺が言っとくから。」

「わたし、課長にお話があるので、」

「そうか、じゃあ気をつけて帰れよ。
今日はゆっくり休んでちゃんとなおせよ。」

「ありがとうございます。失礼します。」

これがいい機会なのかと思った。
課長にはちゃんと話しておこう。それで、
申し訳ないけど仕事はやめさせてもらおう。
このままだとみんなにも迷惑をかけてしまうし、
飛鷹さんにもバレてしまう。
わたしは覚悟を決めて課長のところへ向かった。