「おはようございます!」

「ああ、おはよう」

オフィスにはいるといたのは飛鷹さんだけだった。
恵那は気まずさを隠そうと必死に
「いつも通り」を演じろうとしていた。

「この前のことなんだか」
飛鷹さんが突然喋り出した。

私は思わず飛鷹さんがはなしおわるのも待たずに
「はい!分かってます!忘れろですよね?
私そんなに引きずったりする方じゃないんで
全然気にしたいでくださいね!ほんとに!」

どんどん口が先走ってしまう。
飛鷹さんの目は一度も見ることができなかった。

「そうか、申し訳ないな。
最近体調あんまり良くないみたいだったし

大丈夫かなって思ってたんだ。」

わたしの肩がビクッと震えた。
妊娠のしたのに気づかれたかと思いそわそわしていたがそうでもないようでただ純粋にわたしの体調を心配してくれているようだ。
ふぅーっとため息が出てしまった。

「どうした?やっぱりまだ体調悪いのか?」

「いえ、大丈夫ですのでご心配なさらずに」

「そうか、なんかあったら言えよ」

なんとかバレなかったようで安心した。
このことはぜったいに飛鷹さんにはバレては
いけない。強く心の中で誓った。