いつものように夕食を共にする。

夕食は決まってどこかのカフェである。


彼はご飯を食べるのが早い。

椎香ちゃん(シイカ)ごめんね食べるのがはやくて


大丈夫。前畑くんはご飯すごい早いよね笑



彼の名前は前畑くん



前畑くんは絶対に私を呼び捨てにしない。
理由を聞いた事がある。


…なんで呼び捨てにしないの?



…なんか雑な呼び方に聞こえるから…?かな?


私は何故か、本当に心から嬉しくなった。



…車で帰る途中

海のテラスに寄った。
晴れていたせいか、月の灯りが煌々と私たちを照らしてくれる。

私咄嗟に横をむいた
その瞬間、前畑くんもこちらに顔を向けた。
月の明かりだけでこんなに妖艶に照らし出されてしまう。

私たちの関係を全て見届けているかのような月の明かり
見つかってしまったような気持ちになる。


だんだん私の唇にうすくて小さなものが触れて
水っぽさで覆い尽くされてしまう。

目の前は彼の顔で影になっている。
お月様の影で隠れてキスをしているかのような感覚が、さらに私の気持ちを高揚していく。

それが伝わる頃には私たちの体温は同じくらいになっていた。


……ホテル行こうか…ちょっと限界かもしれない…

…うん







私たちは着くやいなや
柔らかい自分たちの肌とずっと戯れていた…。





…椎香慣れてる。

…慣れてはないよ笑

私はふふと笑う

…前畑くんの方こそあんなの初めて…ッ笑


…んーん、緊張した…笑


…そぉ?

…ほら、慣れてる。


…そんな事ない。今日はありがとう



私は彼の肌にも恋をした。


なんのブレもない滑らかな肩と
すり寄せてもすり寄せても私の頬に吸い付く背中


全てが愛おしいと感じた。







これは私が恋した前畑くんとの記録。