「はっ…、やだ、いつもじゃないって…」

慌てて否定する私に、齋藤君は腕の力を強めた。

「会社じゃ、絶対見れないよね。そんな絢も可愛い…俺だけにしてよ?他のやつになんてそんな所見せちゃダメだから」

可愛い…?誰が?

「可愛いって…誰の事?」

「絢でしょ。ほんと、天然なんだね、それ。ヤバいって、マジで」

さらに腕の力が強くなった。
何が天然で、ヤバいのか。
私にはさっぱり分らなかった。

「あ、あの…もうそろそろ、この腕離してもらえないかな…」

「なんで?」

「え?なんでって…それは…っ…」

「もう少しこのままで。今日休みじゃん。絢といたい」

もう少し少しこのままでと、さらに腕の力は強められ、深いキスを落とされた。



今日は日曜日、休み。

このままでもいっか…

私は、慣れないキスに翻弄されながら、齋藤君を受け止めた。