まだ早い事もあって、廊下に人はいなく私はそのまま営業部に向かった。

「永山、大丈夫か?」

休憩スペースである、自販機の前にいた白石課長が話しかけてきた。

「あ、おはようございます。昨日はすみませんでした」

頭を下げ、挨拶をすると白石課長は、持っていたコーヒーを私に差し出した。

「大丈夫なら安心したよ。もういいのか?」

「す、すみません。ありがとうございます。昨日、あれから病院に行って点滴受けたので大丈夫です」

コーヒーを受け取りながら、大丈夫だと話を続けた。

「昨日、佐々木さんから、電話もらってびっくりしたけど」

「え、あ、す、すみません」

「まだ付き合いがあると思ってなかったよ」

「まぁ…よくしてもらったので…」

話をしながら歩いていると、永山さん!と齋藤君が声をかけてきた。

「大丈夫なんですか?昨日、帰ったって聞いて」

齋藤君は、私と白石課長の間にさりげなく入ってきた。
その時、私にだけ分かるように合図してきた。

白石課長が、またかと言う表情をしたけれど、齋藤君はおかまいなしに私に話しかけた。

バレたらどうする気なんだろ。

だけど、その気持ちが嬉しかった。