「…っ、齋藤…君」

「よかった…具合悪くて帰ったって聞いたから…」

更衣室から少し離れた場所にある資料室。
まだ、朝も早い事もあり、前を通る人も少なかった。

「齋藤君…話…」

「ごめん。連絡取れないし….家にも行ったんだけど、出てくる気配もなかったから心配してたんだ。茉耶さんに病院行ったから大丈夫ってきいてやっと安心出来たんだ。…よかった」

「ご、ごめん…っ」

ごめんなさいの言葉は、齋藤君の胸で押しつぶされた。

「…このままいたいけど、そう言うわけにいかないから、ここでやめとくよ。仕事無理したらだめだからね?分かった?」

「さ、齋藤君…」

うんと、頷くとポンポンと、頭を撫でるとその手を離した。

「先に出て。後から俺出るから」

分かったと、私は周
周りを警戒しながら、先に資料室を出た。