「衛藤って何のバイトしてるんだ?」



ある日の勉強帰り。



隣を歩く衛藤に聞いてみた。前から気になっていたんだ。



「んー?ファミレスだよ!あっ、そうだ今度食べに来てよ!」


「…あー、いつかな」


一瞬ポンッとウエイトレス姿の衛藤を思い浮かべてしまい、慌てて首を振って追い出した。


…何の妄想をしているんだ俺は。



「ほぼ毎日だろ、バイト。きつくないのか」



衛藤は学校からそのままバイト先に直行し、バイトが終わったらまだ小学生の弟と妹のために夕飯を作りに家に戻り、母親が帰ってきたら俺と外で勉強をする、という毎日を繰り返している。



正直、俺だったら衛藤と同じことは…出来る気がしない。