秀才男子は恋が苦手。





「勉強、教えてやってもいいよ」


「………」



暫く目を大きく見開いたまま固まった衛藤亜衣は



「えーー!!!!!!」


「うるさ…」



マック中に響き渡る声で叫んだ。


店内の全ての人間が何事かと俺たちに注目する。



…こんな羞恥心を味わうのは生まれて初めてだ。



「ほんとにっ?ほんとにっ!?」



そんな俺の羞恥心など知る由もなく、立ち上がった衛藤亜衣が俺の手をギュッと両手で握る。



「ありがと!本っ当、ありがとつつるん!!」


満面の笑顔で、キラキラした瞳で俺を真っ直ぐ見つめる衛藤亜衣に


俺は“つつるんではなく筒井だ”と訂正するのも忘れ、



なぜだか見入ってしまっていた。





って。



何だこれ。





「…ほら、そうと決まれば今日は帰るぞ」



一瞬感じた違和感を消し去るように、俺は肩掛けカバンをかけ直す。