「ふふ・・
 このアパートはね、祖母のものでね
 家賃収入があるから・・・・」


「それでも・・・」



「私は中学に上がるころから、ずっと
 そうだったの・・・

 男ができたら、あの人は帰って
 来なくなる・・・

 捨てられたら、また戻ってくる・・

 この繰り返し・・・」



「体調悪いときにも、連絡できないのか?」



うなずく高橋は、もぅすべてを諦めてる
そんな表情。



俺には信じられない話だった。


だって普通な家庭に産まれて育った俺と
同じ17年を生きてても
まったく違う世界で高橋は生きていたんだ。




「ちょっと待ってろ!」


そう言って俺は部屋を出て携帯を出す。