高橋がもしも狙うなら誰?


そう聞こうか悩んだ・・・・・。



俺は候補に入ってた?




揺れる電車に体勢を崩した高橋は
俺に寄りかかってきた。


大勢の乗客のせいで、元の位置まで
戻れなくなった高橋は
そのままの姿勢になった。



高橋の髪の匂いと、あまりにも近い
距離で俺は自分の心臓の音を
聞かれてしまうんじゃないかって

そればっかり心配した。



「ごめんなさいね・・・
 動けなくて・・・」


申し訳なさそうにささやく高橋。



「いや、大丈夫だよ。
 それより、高橋は大丈夫?」


「ええ・・・もぅ少しこのままで
 いさせてもらうわ・・・」


恥ずかしいのとうれしいのとで、
耳まで熱くなるのを感じた。