「智、お父さんと何かあったの?」

「あぁ。実は俺の親父は、一ノ瀬財閥の社長で、俺は御曹司なんだ。俺は長男だから、跡取りをせがまれて、見合いをやらされてさ。俺は、見合いをしたくなくて、反抗してたら、勘当させられてさ...。謝るにも謝れなくて...」

「ちなみに財閥は、智にぃの弟の響(きょう)が継ぐことになった。あ、噂をすれば響だ」

響さんから、LINE電話が来た。

『もしもし、響?どうしたの?』

『親父が倒れた...医者が家族集めろって...悪性リンパ腫だって...どうしよう...』

『今、智にぃと一緒に居るから、そっち行く。病院どこ?』

『翔北医大。3階のICUにいるから』

「毅、響なんて言ってた?」

「叔父さんが倒れたって。悪性リンパ腫で」

「病院連れてけ。李と羽花も紹介する」