「俺さ、大学入ってすぐに小さい子庇って轢かれたんだ。第4頚椎やっちゃって、全身に麻痺が残ってる...。同情はいらないからね」

「同情しないよ。私、智くんに一目惚れしたの。だから...」

「ちょっと待って。その続き、俺に言わせて。俺も李ちゃんに一目惚れした。俺と付き合ってください」

智くんは、腕を動かすのが辛いはずなのに、手を差し出した。だから、私はその手を握った。悟くんは、微かな力で握り返した。