頷く衣月ちゃんを屋内に入れて、ドアを閉めた。
「まだ日没前、か……」
「え?」
「あ、衣月ちゃんは知らない?こっちの世界からボクたち妖の世界と繋がるのは、陽が沈みきる直前だけなんだよ」
「そうだったんですね」
「だから、本当は今すぐにでも夜一のところへ連れて行きたいんだけどねえ……もう少し、待とう」
「はい……」
話しながら座敷に移動して、座る。
広さは五畳ほどで、造りの良い木製テーブルと座布団……向かいに見えるキッチンもがらんとしていて、必要最低限の物だけ。
相変わらず上の地位だとは思えないほど落ち着いた暮らしが好きなんだねえ。
「……あの、緋瀬さんは、どうしてますか?」
「衣月ちゃんのことで頭がいっぱい」
「えぇ!?」
落ち込んで俯いていた顔が勢いよく上がる。
「はは、良い反応だねえ」
「笑わないでください……頭がいっぱいって……ずっと、こっちには戻ってこないじゃないですか……」
「うん。頭がいっぱい過ぎて、動けなくなってる。重く考えすぎなんだ、夜一は。きっと、衣月ちゃんに関わるほうが迷惑をかけるって思ってるんじゃあないかな」
「まだ日没前、か……」
「え?」
「あ、衣月ちゃんは知らない?こっちの世界からボクたち妖の世界と繋がるのは、陽が沈みきる直前だけなんだよ」
「そうだったんですね」
「だから、本当は今すぐにでも夜一のところへ連れて行きたいんだけどねえ……もう少し、待とう」
「はい……」
話しながら座敷に移動して、座る。
広さは五畳ほどで、造りの良い木製テーブルと座布団……向かいに見えるキッチンもがらんとしていて、必要最低限の物だけ。
相変わらず上の地位だとは思えないほど落ち着いた暮らしが好きなんだねえ。
「……あの、緋瀬さんは、どうしてますか?」
「衣月ちゃんのことで頭がいっぱい」
「えぇ!?」
落ち込んで俯いていた顔が勢いよく上がる。
「はは、良い反応だねえ」
「笑わないでください……頭がいっぱいって……ずっと、こっちには戻ってこないじゃないですか……」
「うん。頭がいっぱい過ぎて、動けなくなってる。重く考えすぎなんだ、夜一は。きっと、衣月ちゃんに関わるほうが迷惑をかけるって思ってるんじゃあないかな」

