そして、夏向がわたしの首元に顔を近づけてきた時。
動きがピタッと止まった。
そのままスッと夏向がわたしから離れ、覆っていた手もどけてくれた。
一気に酸素を取り込んで、呼吸を整える。
息が乱れるわたしを夏向は不満げな顔で見ている。
そして、驚くことを口にする。
「……それ脱いで」
「は……?」
反抗する余地もなく、夏向がカーディガンの裾を手で捲り上げて、強引にガバッと脱がされた。
「えっ、ちょっ……」
戸惑うわたしを放置して、そのまま夏向に抱きしめられた。
甘すぎる夏向の匂いにクラッとくる……。
わたしの脱がされたカーディガンは床に落とされたまま。
「……さっきまで誰と一緒にいた?」
「な、なんで」
「いいから答えて」
何も言うのをためらうことはない。
はっきり言ってやればいいんだ、佑都先輩と一緒にいたことを。

