無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。




「じゃあ、もっと彼氏っぽいことしよっか」


すると、わたしの肩をグイッと自分のほうに抱き寄せた。


その瞬間、周りにいた女子たちから黄色い悲鳴のような声がちらほら聞こえてくる。



「ちょっ、な、何するんですか……!!」

「彼氏っぽいこと?」


「ふ、ふざけないでください!理由もなく触らないでください!!」


「んー、それは無理じゃない?彼氏が彼女に触れるのに理由なんている?」


珍しく正論を言ってやがる……。


佑都先輩から香る独特の甘いお菓子みたいな甘ったるい匂い。


たぶん香水。
わたしの苦手な匂い。


夏向とは違う……。
夏向は甘いけど、柑橘系のサッパリした、わたしの好きな匂いがいつもする……。


って、ここにきてまた夏向を思い出してるわたしってバカみたい。


「先輩くさいです」

「は?」


「その香水、わたし苦手です」

「へー、はっきり言うね」