無気力なキミの独占欲が甘々すぎる。




嫌ですって断ろうとしたのに、わたしの隣の椅子を引いてそのまま座った。


「そこ、さっき別の女の子が座ってたんですけど」


わたしの右隣には樹里が座っていて、左隣には他学年の女の子がさっきまで座っていたのに、気づいたら空席になっている。


「んー、変わってくれる?って頼んだら変わってくれたんだよ。いい子だよね」


「いつのまに……」


すると、さっきまでわたしの隣でオムライスをパクパクと食べていた樹里が急に立ち上がった。


「んじゃ、わたし食べ終わったから帰るわ」

「えっ、はっ、ちょっ樹里…!?」



お盆を持ってそのまま帰ろうとする樹里を必死に引き留める。


「何よー、わたしもう食べ終わったから教室戻りたいの。それに、いいじゃない。お待ちかねの彼氏様が来てくれたんだから」


「待ってないし、勝手に来ただけだし!」


幸い、ランチルームが騒がしいおかげで、たぶん樹里とわたしの会話は佑都先輩に聞こえてはいないはず。