「うわー、何それ。ってかそれ付き合ってるって言えるの?」
「さ、さあ……?」
「あんたねー、自分のことなんだからしっかりしなさいよ。黒瀬先輩とか、木咲くん並みにいい噂聞かない人じゃん。女にだらしないし。冬花ってほんと男運ないよね」
かなりグサッときたけど、事実なので仕方ない。
こういう時、まともな意見をはっきり言える樹里はさすがだと思う。
って、感心してる場合じゃないか。
「だって、佑都先輩が脅してくるから」
「人のせいにしないの。付き合うって選択をしたのは冬花の意思でしょーが」
「ごもっともでございます……」
目の前のパスタをフォークでくるくる巻きながら、なかなか口に運べない。
「ったく、これだから1人の男にはまってると、ろくなことないんだよね」
「一途って言ってよ……」
「何言ってんの。そういうことはピュアっ子が言うものなの」
「わたしは何っ子ですか」
「ゲスっ子」

