「ブランコってさ、子供の頃を思い出すよね」
チラッと横目で彼を見れば、夜空を見上げながら、悲しそうな瞳の色をしていた。
なぜだろう。
この人とは何か近いものを感じる。
だから、今素直に思っていることを口にした。
「子供の頃の記憶なんて、思い出したくもない……」
「へー、気が合うね。俺も一緒」
なんだろう……。
この人からはさびしいっていう名の感情は、もうとっくに通り越しているような気がするのは。
さびしいとか、孤独とか、そんな言葉でまとめたらいけないように思えるくらい、
表情に色がないし、声のトーンも感情がこもっていない。
「今日だけ……さびしくなって、ここに来たの……」
「へー、なんでさびしいの?」
「わたし、今日誕生日なの」
「おめでとう」
「反応薄いよ」
「おめでとうって言ってんじゃん。そこは素直にありがとうでしょ」

