「じゃあどーぞ?」
夏向の顔に近づくために、少しだけ身体を上にずらしてみるけど、なかなかうまくいかない。
ってか、お互い寝てる状態でするのって難しくない…!?
「も、もうちょっと近づいてよ」
「やだよ、俺される側だもん。
冬花が近づいてこればいーじゃん」
わたしこれでもがんばってるのに。
「あ、あと目閉じてよ」
「はぁ?なんで」
「か、顔見られるの無理…!」
「ったく、わがままなお姫様だね。
いーよ、今回だけ特別に目閉じてあげるから」
そう言って、スッと目を閉じてくれた。
えぇい、もうするしかない、しちゃえばそれで終わるんだから。
唇を夏向のと合わせるように軽く触れるだけのキスをした。
「は、はい…ちゃんとしたよ…!」
もう恥ずかしくてたまらないので、すぐさま夏向の胸に顔を埋める。